「婚活しゃけ」
まだお互いの食の好みもよく知らない頃、
私はこの鮭料理を彼女ぴに振る舞った。
彼女ぴは魚料理が苦手。野菜もだいたい苦手。
今でこそ常識情報だが、当時の私にはそれを知る由もなかった。
机の上に置かれた料理。
そこには大量の野菜に包まれた魚(しゃけ)ーーー…………
彼女ぴは心の中で思ったことだろう。
「…………苦手なものしか、ない…………………………」
しかし手料理を振る舞われた以上は、食べないわけにはいかない。優しい彼女ぴはそう思ってくれたのだと思う。
しゃけを挟んだ箸が、ゆっくりと彼女ぴの口元へと運ばれるーーー………
彼女の口から、思いがけないひとことが溢れる。
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そうとう、彼女ぴの好みの料理だったようだ。
「おいしい」「完全に胃袋つかまれた」「天才」「結婚しよう」そういってもらえることができた、鮭料理ーーー………
私は、名前の無いこの料理のことを、敬意を込めて、
""婚活しゃけ""
と名付けることにした……今。
婚活リップ、婚活チークと並んで、時代は婚活しゃけです
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苦手な食材だらけの料理にもかかわらず、おいしいとか、結婚したいとか、思ってもらえて……よかった……
でも、好き嫌いを聞かずに手料理つくるのはほんとうにいかんかったな
ここで一句
好き嫌い
聞かずにつくる
メシ暴力
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暇だから「婚活しゃけ」の超雑なレシピを記録。
■材料(2人前)
・キャベツ 1/4玉
・鮭 2〜4匹
・えのき 1袋
・パプリカ 2個
・大葉 10枚くらい
・バター 10gくらい
・塩 適当
・料理酒 大さじ2くらい
・しょうゆ 大さじ2くらい
・めんつゆ 大さじ2くらい
■作り方
フライパンにアルミホイルを敷き、バターをのせる。
キャベツを縦横2cmくらいに切ってフライパンにいれる。全体に塩をかける。今回はハーブ塩。
塩をかけることにより、熱したときにキャベツから水分が出やすくなる。鮭を並べる。鮭に塩と料理酒をかける。
塩は味付け目的、料理酒は鮭をふわふわにする目的。
今日は気分がノッたのでにんにくパウダーもかけた。
えのきを半分に切り、フライパンへ。しょうゆをかける。大さじ2とか書いたけどまあ適当。えのき全体に少しずつかかるようにいれる。
パプリカのへたをとって縦半分にきり、あとは繊維にそって縦に1cmくらいずつ切る。フライパンへ。めんつゆかける。えのきと同様、適当。
大葉を5mm幅くらいに切って散らす。なんかいつもより多いな。まいっか。
包み込むようにふたをする。
フライパンのふたも上から置き、中火にかける。20分放置。
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20分後
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ふたをあけ、アルミホイルをめくる。
このとき、あついから気をつける。思ったより湯気が出るし、思ったより湯気が激アツ。湯気で容易に火傷する。
完成
野菜はふわふわ&シャキシャキ、鮭もふわふわ、おいしい!洗いものも少なくてうれしいね
おしまい