創作百合「ネイルと受験と女の感情」

Side A　”ネイルと受験”

登場人物

ゆかり（１５歳）

高校１年生。おぼこい。手芸部に入部したものの、あまり馴染めずにいる。

そんななか、同じ部活のさおり先輩に憧れの気持ちを抱く。

さおり（１８歳）

高校３年生。受験生であるにもかかわらず、ネイルにうつつをぬかしている。

ある日、姉が女性を押し倒しているところを目撃してしまいーー・・？

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あらすじ

手芸部に入部したゆかりは、周りの一年生に馴染むことができず、孤立していた。

今日も一人で手芸部の部室へ向かう・・・。

部室に到着すると、そこにはネイルにいそしむさおりの姿があった。

さおりの、ネイルへの異常な情熱を知ったゆかりは感銘を受け、その場で弟子入りを申し込む。

しかし、「あなたにはまだ早い」という不可解な理由で弟子入りを断られる。

傷つくゆかりに、さおりは説明する。

さおりはこれまで命懸けでネイルをしており、ネイルのために恋愛もせず、青春を犠牲にしてきた。

ゆかりはまだ高校１年生で、無限の可能性がある。（しかもおぼこい。）

だから、青春を捧げるものをここで決めてしまうのは早すぎるんじゃないかって思っただけだった、と・・・。

これまで周囲の空気に馴染めなかったゆかりは、こんなにも自分の身を案じてくれた人に出会ったのは初めてで、勢いでさおりに告白をしてしまう。

「私の青春を、さおり先輩に捧げたいです。好きです。付き合ってください。」

さおりは毅然とした態度で、

「受験が終わるまではネイルのことしか考えられないの」

と断る。

ゆかりは、

「受験が終わっても、さおり先輩はネイルのことばかりしか考えられないんじゃないですか？」

「人を愛するって気持ち、さおり先輩はわかりますか？」

と問う。

「どうなんだろう・・・。」

本当は、さおりは、知っていた。

人と人が・・・、女と女が、愛し合うということをーーー。

それは、３ヵ月前のできごとだった・・・。

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Side B "女の感情"

登場人物

しおり（２２）

さおりの姉。新宿三丁目にある会社に勤める新卒。

内気な性格だが、根っからのレズでいつも女体のことを考えている。

職場の先輩であるあかねに毎日怒られている。

あかね（２６）

しおりと同じ職場ではたらくノンケギャル。口がめちゃくちゃ悪い。

ヤなことあったら親友のリカとハジける。

リカ（２６）

あかねの幼馴染であり親友。明るいメンヘラ。

#セクマイさんと繋がりたい　#飼い主募集　などで日々ツイ活をしている。

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あらすじ

「おいコラ、しおり・・・。ホチキスは左上で止めろって何回注意したらわかんだよ！」

今日もあかね先輩に怒られるしおり。失敗ばかりで、憂鬱だ……。

（ハァ。2丁目行って癒されよ。女体女体。フェムおねえさんのストッキングのにおい嗅ぎてぇ～。）

そう思って2丁目に向かうと、そこには先ほど怒られたばかりのあかねの姿が。

あかねはノンケだが、メンヘラレズであるリカから「病んでる」コールを受けて、リカのホームである2丁目飲みに付き合ってあげていたところだった。

あかねの姿を発見したしおりは思わず「え！？」と声を上げる。

「あかね先輩って・・・”こっちの人”だったんですか・・・・！？」

混乱するしおりに、

「いや、ちげーし。レズとかきも。」

と、とっさに言い放つあかね。

一瞬でその場のレズ全員を敵に回した。

傷ついたしおりは、次の日も、その次の日も会社を休んでしまう。

しおりのいない会社で、何か物足りなさを感じるあかね。

この感情は、いったい何なんだろう・・・。

親友のリカに相談すると、「しおりちゃんに恋してる」と指摘される。

正直に謝って、告ろう。

ギャルは決心してから行動するまでが早い。

その日のうちにあかねは、しおりの家を訪れる。

「おいコラ、しおり・・・・・・。ごめんかった。ウチ、しおりのこと好きだよ」

ギャルのあかねがもじもじとしている姿にグッときたしおりは、つい興奮してしまってその場であかねを押し倒す。

妹のさおりが、その場面を見ているとも知らずにーーーー。

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つづく